ホムンクルスは脱フラスコの夢を見るか

脱ニートを目指す絵描きな引きこもりが、主に週間・月間・年間ごとに振り返りを残すブログ。

#265 自分を知らずになにができようか【週間報告(11/26-12/2)】

 先日、月間報告でやたらめったら書いたのに、もう週間報告。

 これといって書くことが思い浮かばないんですが。

 ともあれ、サボるわけにもいかないので、書きます。

 11月最終週から12月第1週にかけて完成・公開したイラストは、ありません。

 

 ずっと立ち絵素材集の制作をしていました。

 この前の月間報告で書いた作業一覧で言えば、表情差分の作成まで終わりました。

 立ち絵の書き出しまで、仕上げとポーズ差分の作成があるので、まだまだ先が長く感じています。

 仕上げに関しては、デザインそのものの加筆修正や、ポーズ差分も踏まえたレイヤー編集をするつもりで。

 ポーズ差分をどう作るか、武器ありとなしとで別々のデータにするか、パーツ分けして1つのデータで付け替えができるようにするか、手に取ってくれた方がPSDデータで編集する際に少しでも使いやすいようにするにはどうしたらいいか、考えることが色々あって、前回はなかった初めて取り組む作業ゆえにめんどくさく感じていたりします。

 とりあえず1人、ポーズ差分を作れたらスキルツリーが解放されるので、しっかりやろうかと。

 

 イラストについてはこんな感じです。

 

 この前の月間報告で、

 物語の創作――とりあえず小説関連の物事を主軸に商売をしていきたい

 と書きました。

 

 そもそも小説関連の物事って? という話ですが。

 小説そのものを書くのはもちろん。

 表紙や挿絵、キャラクターデザインの制作や表紙に入れるタイトルロゴのデザインもまた、関連する物事です。

 これらは今まで取り組んできました。

 かつ、イラストで小説関連の依頼を受けるなら? と真っ先に思い浮かぶ内容です。

 

 とはいえ。

 小説のイラスト制作は、時間がかかる割に安価になりやすい傾向にあります。

 それは商業にしても、個人にしても。

 商業の場合は、そういう傾向がある、という見聞きしただけの情報ですが。

 個人の場合は、実際に経験した上での体感です。

 一枚絵や立ち絵の制作に比べれば、取引開始から納品まで、最短でも倍近い時間がかかっていました。

 例えば、Vtuberや歌い手の方からの一枚絵の制作の依頼であれば。

 ヒアリング、構図提案、カラーラフ、清書で最短1週間ほど。

 小説の場合、キャラデザと表紙の制作であれば。

 私の場合、最大15万文字まで作品を読む工程もあったので、ヒアリング、作品拝読、キャラデザ、構図提案、カラーラフ、清書で最短2週間前後。

 同じ金額なら、一枚絵の制作の方がコスパがいいわけです。

 

 かつ、料金の相場も低いように感じていました。

 言い方を変えれば、小説のイラスト制作に対する予算感が安い、みたいな。

 例えばココナラで、小説のイラスト制作の公開募集を見てみると、よく目につくのは10000円以下の案件。

 時折5桁、稀に6桁というものが目に入る程度で。

 はたして、平均的な相場は5桁あるのか? と。

 ただ、先日スキマを見た時、いやそうでもないな、と感じました。

 リクエスト(ココナラでいうところの公開募集)で小説の表紙を検索してみれば、5桁台がよく目につきます。

 UIの見やすさや使いやすさ、プロフィールやブログページなど個人ページの充実度からココナラだけを使ってきましたが、もしかしたら、プラットフォームが違うと顧客層にも違いがあるのかもしれません。

 これはスキマでの募集も検討した方がよさそうだ、と。

 

 少し脱線しましたが。

 現状、小説のイラスト制作の相場は、一枚絵制作よりも低く感じています。

 かつ、だいたいのイラストレーターがサービスの一環に表紙や挿絵の制作を含んでいるので、実質的な競合も多い。

 私の場合、最大15万文字まで無料で読むことを加えて差別化していたものの。

 それだけだと差別化としては弱いんじゃないかと。

 

 今年1年、ただただイラストばかり描いていたわけでもなくて。

 主にX(Twitter)で、小説のイラストや宣伝方法についての情報を見たりもしていました。

 ふと思ったのが、特にSNSで自作小説の宣伝をされている方にとっては、宣伝用のイラストや宣伝の仕方の提供が付加価値になるんじゃないか、と。

 表紙はともかく、挿絵はただ本文の間に差し込むだけでなく、PRの材料として活用できないか、と考えたり。

 またX(Twitter)においては、イラストならタグを活用した宣伝方法が幅広くあります。

 作家本人が宣伝するだけでなく、私自身も宣伝の手伝いができるんじゃないか、と。

 表紙・挿絵・キャラデザをするだけでなく、SNSでの宣伝にも協力させていただく、という形なら、提供の幅が広がることでより付加価値の質を高めることができて、差別化も見込めるように思います。

 ――とはいえ、私からの宣伝は悩みどころで。

 正直、私自身が心の底から面白い、読んでよかった、と思えるクオリティでなければ、とても宣伝はできないな、と。

 ちなみに、これまでいただいた依頼の中で、宣伝してもいいと思えた作品は1作だけです。

 

 だとすると、作家単体でも宣伝効果を1%でも高められるようなサービスの検討が考えられます。

 イラストに限らず、そのイラストを出すタイミング、タグのつけ方、投稿文の内容を考えて提案したり、「そろそろ○○ですが、投稿の検討や予約投稿はお済ですか?」と告知によるサポートをしたり。

 イラストだけだと、どうしても総合的なイラスト制作のサービスを出している同業者と競合してしまいますが。

 マーケティングやPRといったサポートを絡めると、同業者とは違うサービスとして確立できるように思います。

 

 そういえば、X(Twitter)で見た投稿で興味深かったのが、

 冒頭に登場キャラの全身立ち絵や設定画を入れて、読者にイメージを伝えておくのはどうか?

 というもの。

 実際、某有名ゲームの小説ではそういう形を取っていて、冒頭でキャラクターや小物、能力の情報を出しているから、本文での説明が端的に済ませられているそうです。

 とすると、キャラデザの確認のために作成した立ち絵に、清書をして紹介用のイラストとして仕上げる、という価値を加えられるんじゃないか、と。

 

 8月から、ダウンロードサイトで販売するための立ち絵の制作を始めました。

 それに伴って、TRPGで使われる立ち絵に関する情報を集めていました。

 その前には、Skeb用のサンプルとして全身立ち絵やリファレンスシートなどの制作もしていました。

 全身立ち絵を作る際、背景をどうしようかと紆余曲折していましたが。

 TRPGにおいては、立ち絵ディスプレイなるものがあるそうで。

 SNSに立ち絵を投稿する際の飾りつけ、と言えばいいんでしょうか。

 背景をつけて、人によってはキャラクターの名前やステータス、シナリオのタイトルやシナリオでのセリフを加えることも。

 その時になってようやく、自分がしたかったことが立ち絵ディスプレイっぽいものを作りたかったんだ、というのが分かりました。

 

 その経験が、キャラクター紹介シートという形で、提供できる価値として活かせるように思います。

 

 ――とはいえ、個人の作家がそこまで欲しいと思うか? という課題が見えてくるわけですが。

 思うに、個人の作家に、突き詰めれば依頼していただいた作家の方々に限れば、小説のイラスト制作に対する視点が短期的だな、と。

 つまり、表紙や挿絵を描いてもらえればそれでいい、それだけで満足されるということで。

 自身の作品を宣伝する、ということまでには至っていないように思います。

 特に電子書籍においては、買ってもらわないことには読んでもらえません。

 Amazonでは読み放題のサービスがありますが、サブスクとして月額料金がかかっています。

 金額以上の価値を感じてもらえないと、どれだけ読み放題でも手に取ってもらえないわけで。

 個人的に執筆を楽しんでいて、ついでにイラストもつけたい、というならまだしも。

 自身の作品をたくさんの人に読んでほしい、と思うのであれば、作品としてのクオリティはもちろん、宣伝活動も必要になってきます。

 

 宣伝は、思うに中・長期的視点の活動だと思います。

 だとすれば、ターゲットは「宣伝もできたらいいな」「宣伝のやり方にバリエーションがあったらいいな」というインサイトを持つ作家の方。

 ニーズではなく、インサイトにしました。

 小説の表紙を依頼する方の多くが、「表紙や挿絵が欲しい」という理由を提示されます。

 でも、「宣伝のためのイラストが欲しい」とまでは明言されません。

 むしろ、「宣伝=表紙や挿絵」と考えている節もあるんじゃないでしょうか。

 完全に間違いというわけではないものの、他との差別化までは至らないかと。

 

 アプローチの仕方としては、SNSでの宣伝にも活かせるイラスト制作や宣伝活動のサポート。

 表紙や挿絵を描くだけでなく、もっと多くの方に読まれるように、1人でも多くの読者を獲得できるようなイラストや宣伝方法、サポートなどを考えて、提案、提供します、みたいな。

 

 ただ、宣伝するとなると、それなりに権威性があった方がいいよな、と。

 最たるものは、X(Twitter)のフォロワーでしょうか。

 小説用のアカウントを伸ばす必要があります。

 そして情報発信しつつ、コンテンツとして見返しやすいものとして、noteの活用も。

 X(Twitter)やnoteで発信するために、実績づくりとして小説投稿サイトで作品を読んで、レビューを書いて名前を残すのもアリですね。

 

 とりあえず、小説関連を主軸に商売をするなら、というプランについて思いつくだけ書き出してみました。

 海外Vtuberから依頼をもらおう、というロードマップを始める前よりは、解像度が上がったように思います。

 

 で、本気で小説関連の商売に取り組むなら、取捨選択をする必要があって。

 まず、二次創作関連は優先度をかなり落とす、あるいは切り捨てる。

 というのも、小説を読むこと自体、時間のかかる活動なので。

 私の場合、10万文字程度だとしっかり読むと3、4時間かかってしまいます。

 要点を汲み取る――イラストを描く上で必要な情報に焦点を当てた読み方であれば、1時間半~2時間程度ですが。

 SNSで読書進捗や読了報告をしたり、レビューを書いたり感想文を書くとなると、すべて合わせれば少なくとも読書時間と同等以上の時間が必要になります。

 そして依頼においても、小説のイラスト制作は時間と手間がかかります。

 そうなると、二次創作にかけられる時間はかなりなくなります。

 

 次に、立ち絵素材の制作・販売はこれまで通り。

 ストック収入になりますし、ベースのキャラができあがれば、それをリメイクしたキャラを出すという形で使い回しができて、作業の効率化、制作時間の短縮に繋げられます。

 とにかく数を増やして、総合的に収益を上げていく。

 かつ、それが宣伝材料になって、依頼の獲得ができる可能性もあります。

 販路や収益の幅が広く見込めるので、やめない方がいいな、と。

 

 で、こうして思いついたことを実行するかどうか、ですが。

 

 やろう。

 小説のイラスト専門でサービスを出してるイラストレーターはかなり少ないし、

 そもそも最大15万文字まで無料で読むことをサービス内容で明示してるサービスも見当たらないし、

 小説のイラスト専門でマーケティングやPRの視点も盛り込んだサービスも見当たらないし、

 ポジショニングができる要因がこれだけあるなら、早めに取りかかってしまおう。

 やらずに後悔するより、やって後悔しよう、というか。

 紆余曲折の間に得た経験や知識、スキルが活かせるなら、改めてやってみよう、というか。

 もしかしたら、ただの逃避かもしれないし、今そういう気分なだけってことかもしれないし、自分でもよく分かっていません。

 10月の週間報告で原点回帰の話をしましたが、いや、小説とそのイラストが原点だよな、と。

 これ以上の原点はなくて、そこにまた気持ちが戻ってきたのなら、なにかの縁というか、運命というか。

 スピリチュアルは信じていませんが、なにかあるんじゃないか、と。

 

 つらくなって、また二次創作やらなにやらに戻るなら、それでもいいと思います。

 なにが正解かなんて分かりませんし、なにに適正があって、どんなところで才能が発揮されるかも分かりませんし。

 とりあえず、これ1本でずっとやっていこう、じゃなくて、販路を1つ増やすという意味で取り組もうと思います。

 

 また長くなってしまいました。

 立ち絵素材の制作をしていて、完成したイラストはありませんでした。で終わってもよかったと思います。

 冒頭で、「これといって書くことが思い浮かばないんですが。」と書いていましたし。

 でも、そういえば……と最近考えていたことを思い出したら、途端に書く手を止められなくなりました。

 

 そろそろ立ち絵制作の再開を――と、その前にCi-enの進捗報告を出したいので、このあたりで終わります。

 

 では。