AIによるイラスト生成。
ここ1週間、ものすごく話題になっていたんじゃないかと思います。
特に『NovelAI』。
絵柄にしても、生成するイラストの精度にしても。
あれが使えたら小説の表紙をイラストレーターに頼む必要なくなるんじゃないですかね。
それなら私廃業ですよ、ええ。
――みたいな話をするかと思います、今回。
その前に週間報告をば。
10月第3週に完成・公開したイラストは、ゼロ枚です。
描いてる暇がありませんでした。
並列進行するココナラの依頼が3件。
どれも認識の解像度の低い要素盛りだくさんな依頼内容。
イラストのイメージを固めるためのヒアリングとかメッセージのやり取り。
と、1日に2件分のイラストを描き進めていると、とてもプライベートのイラストを描く気にはなりませんでした。
代わりに自著の次巻の執筆に逃げるくらいに。
ただ、どうにかこうにか進めていって、うち1件があと少しで完成します。
問題がなければそのまま納品になって依頼完了。
ここから多少の余裕ができるはず。
――かと思いきや。
つい昨日、新規の依頼が1件来ました。
小説の表紙です。
受注しました。
1件終わって少しは落ち着くかと思いきや、全然そうでもなくて。
ボリュームがめちゃくちゃあるわけでもないんですけど、今月プライベートでイラスト描けるかどうか怪しく思うほど、なんか色々忙しいです。
ここ2、3週間依頼ラッシュで、そういう時期らしいです。
だったら依頼を最優先に頑張るしかないですね、はい。
週間報告としては、こんなところでしょうか。
さて、タイトルと冒頭の話でも。
『NovelAI』という、イラストを生成するAIが話題に上がって。
特徴としては、いわゆる美麗系なイラストを中心に生成するところでしょうか。
なんかよく見る絵柄だ、って思う人は多いはず。
で、その『NovelAI』の生成するキャラクターイラスト。
パッと見のクオリティが高い。
シルエットだけでなく、ディテールや質感といった表現がプロイラストレーターのイラストとさほど遜色がないです。
そんな、キーワードを入力するだけでそれに沿ったイラストを生成してくれるAI。
pixivで『NovelAI』と検索すると、投稿されたイラストの数がすごい。
これを書いてる今日、10月15日の朝の時点で、『#NovelAI』のタグがついたイラストは7000件弱。
……これだけだと、はたして7000件が多いのかどうかは分からないかと。
いや、数字だけで見れば多い方だと思いますが。
というわけで、少し遡ると。
10月13日の夜の時点で、4000件弱。
10月11日の夜の時点で、2000件弱。
1週間足らずで、3倍以上もの投稿がされた、という変遷。
投稿ペースを絡めると、かなりの投稿数だというのが見て取れるかと。
ちなみにここまで書いたのが昼前。
気になって調べてみたところ、『#NovelAI』のタグがついたイラストの数は――5300件超。
なんか減ってる。
引かれた2000件弱はもしかして……アカBANでしょうか。
さておき、AIによるイラスト生成の技術の進歩が目に見えてきたところで。
私が描くようなアニメ調のイラストを容易に生成できるとなると、例えばWeb小説界隈はありがたいことこの上ない。
特に表紙なんて、
・背景白地のキャラクターイラストをほしい分だけ生成する
・背景を透過して1枚に集めてそれっぽく配置する
・タイトルとか著者名を加える
・表紙完成!
という感じに、割と簡単にできてしまうので。
なおかつ、AIによる生成なので、例えばカスタムキャストみたいなアバターの素体やパーツ、衣装に限りがあるわけじゃないです。
似たようなデザインのキャラが偶然できあがることもあるかもしれませんが、それでもオリジナリティは断然高い。
――となると。
何千、何万といった金額を支払わなくても、表紙が作れてしまう。
イラストレーターにお願いして、数日~数週間も時間をかけなくていい。
……っていう感じになって、小説の表紙制作の需要はどんどん下がっていく。
つまり、私みたいな小説のイラスト制作特化のサービスを出しているイラストレーターは廃業に――
なるんでしょうか?
とりあえず、『NovelAI』に限れば。
パッと見の雰囲気や完成度は高いです。
ぶっちゃけ、私のイラストより綺麗に仕上がってるなー、って思いますし。
ただ、とはいえ。
構図やキャラクターのポーズに焦点を当てると、割と単調に感じます。
いわば、動的な印象のものが見当たらない、みたいな。
そういうキーワードを使っていない、というのもあるとは思いますが。
現状だと、立ち絵あるいは一言で説明できるほどのポーズや表情が十二分に生成できるレベルだと勝手に憶測します。
『「オラオラオラオラオラ!」とスタープラチナで拳の乱打を繰り出す空条承太郎』みたいなのは、あと3年ほど先でしょうか。
……いや、既存のキャラクターの生成もできているので、マンガの1コマの再現なんてものによってはもうできたりするかもしれませんが。
少し脱線しました。
「静的ポーズのキャラクターの立ち絵+背景」なら、AIでも十分生成可能です。
依頼するほどのお金がない、そこまでのこだわりがない、ということなら、AIで事足りると思います。
――描画の狂いとかはここでは割愛。
ただ、例えば小説みたく
「ストーリーのワンシーンの切り取り」
「人物やモンスターの絵柄の統一」
「より複雑な、キャラクターや小物、背景の造形」
といったものを求めるとしたら、人の手による制作に委ねる必要があります。
そこがAIとの差別化を図るポイントだとすれば、やりようがありますね。
廃業の危機でもなんでもないっていう。
……ただの釣りタイトルだと言われたら、否定できませんし、するつもりもありません。
そのつもりだったのかと言われたら……いや、ふと思いついたのがそれだったもので。
悪気はありません。
さておき。
これはあくまで個人的な考えになりますが。
『NovelAI』みたく、アニメ調のイラストが生成できるAIの登場で、今後キャラクターイラストの市場が変わってきそうだな、と。
特に個人間のイラスト制作の依頼なんかは。
すでにココナラでは、サンプルにAIで生成したイラストを掲示したサービスが出品されているのをいくらか見かけました。
よくよく見てみると描画の狂いで、「この人自分で描いてないな」と気づきますが。
そこまでじっくり見ない人は、仕上がりや雰囲気の良さ、価格、制作期間の短さから依頼しようと考えるんじゃないかと。
だとすると、ただ単に「キャラクターイラストを描きます」という宣伝文句だけで売っている方々は、いっそう厳しくなるのかな、と。
元々母数の多い分野なので、そこまで表面化しなさそうですが。
そういう私も、まったく関係がないわけじゃないです。
よりニッチで需要のあるニーズを見出していかないと、今後やっていけなさそうだなー、と思います。
・AIにはできない
・やっている人はいるけど母数は少ない
そんな感じのニーズを、私はちゃっかり1つ見つけてますし、成果も少しずつ出していますが、もっと開拓して数を増やしていきたいな、と。
その前に、並列進行する3件の依頼をこなさないといけません。
というわけで、今回はこのあたりで。
では。