最近イラストを描いていて思うことがありまして。
速く描いてどんどん作品を完成させるより、1枚1枚じっくり描いて完成させていくのが、イラスト初心者としてはベターじゃないかな、と。
……そんな話を、週間報告のあとに書きます。
さて、3月最終週から4月第1週にかけて完成・公開したイラストはこちら。
今回もまたリメイクという形で描きました。
以前描いたのがこちら。
これで総勢12人。
リメイクが必要なのがあと3人。
もう少しで、1巻目分の高校生たちが揃います。
今の描き方で揃え始めたのが1月の終わりごろ。
ここまで2ヶ月強かかりました……(長い長い
実際のところ、ラノベのキャラデザってここまでしっかり描く必要はなさそうなんですけどね。
無駄な遠回りかもしれません。
だとしても、後々振り返ったら必要な積み重ねだったりするかもしれないので。
10人以上も描いたせいか、今の描き方のスピードが上がりました。
あわよくば1日で1人描けるんじゃないか、なんて思ったりもします。
そして、挿絵も1枚完成させました。
そのうち原稿に挿入して、Kindleに出してる自著を更新します。
どこまで公開するかハッキリ決めていないので、今のところ非公開です。
というわけで、キャラクターデザイン2種と挿絵1枚が完成した1週間でした。
さて、週間報告が終わりましたので、冒頭の話でも。
速く描いてどんどん作品を完成させるより、1枚1枚じっくり描いて完成させていくのが、イラスト初心者としてはベターじゃないかな、と最近思うのです。
なんでじっくり描くべきか。
結論としては、
【1枚描くごとにできることを増やして、クオリティを高めていくため】
です。
こういうのもなんですが、私の作品で例えるなら、昨年の5月に描いたこれ。
この段階で満足していたら、今回描いた下のようにはなりません。
(変わったように見えなかったらどうしよ……( ˘ω˘))
どのあたりが変わったか、を挙げるとすれば、
・全体的な陰影のつけ方
・服や靴の描き込み
この2点でしょうか。
2020年5月の私は、そりゃもう一生懸命描いてましたよ、ええ。
でも、2021年4月の私から見ると、雑というか、知識不足・技術不足だとなぁ……と思えてきます。
服や靴、剣のデザインや描き込みなんて見るからに違います。
例えば学ランの上着、ボタンは前身頃だけじゃなくて、袖にもあります。
スラックスにはセンタークリース(折り目)を。
……と、書き出すと長くなるのでこのあたりで。
昨年の5月から今みたいになれたのは、1枚1枚じっくり描いてきたからだと思います。
クリップスタジオペイントの3Dモデルでポーズをとって、それを基に素体を描いて、髪や顔、服、武器などを描き加えて、線画の清書をして、着彩して。
その合間に、デッサンがおかしいと思ったら修正して、塗りが気に食わなかったら塗り直して、ポーズが変だと思ったら最初から描き直して。
そういった積み重ねをすることで、できることが増えて、クオリティが高まっていきます。
と、ここで本記事のタイトルにある、精度と速度について。
イラスト初心者がいきなり速度ばかりを気にしていたら、いつまでたっても同じようなクオリティの作品ばかりしかできません。
まずは精度を求めてじっくり描いて、それを繰り返していくうちに速度が高まっていく、という話です。
極端に言ってしまえば、顔周りばかり描いていたら、顔周りしかかけません。
なおかつ「初心者くさいクオリティ」で止まっているなら、初心者くさい顔周りのイラストしか描けません。
「初心者くさい」とはどんな感じか例を挙げれば、
・体のパーツのバランスが崩れている(大きさや配置に違和感を覚える)
・線画に強弱がない(輪郭線やディテールの線の太さがほとんど同じ)
・配色が下手という意味で尖っている(全体的に彩度が高い、影や光がぼかしの強い塗りばかりでメリハリがない)
もし、自己満足で描いているならそれで構いませんが、なにかしら評価を得ようとするならどうでしょうか?
ツイッターならRTやいいね、お金を稼ごうとするなら依頼数や金額……などなど。
いつも、傍から見て完成だとは思えない、中途半端なラフ絵ばかり出していたら、「この人はイラストをしっかり完成させられない人だ」と思われますし、そういう人が依頼を受け付けても、誰も依頼しないでしょう。
なぜ、まずは精度を高めるべきか。
他者からの評価(ツイッターならRTやいいね、依頼を受けるなら依頼数や金額)を求めるなら、評価をもらえる基準までクオリティを高めるのが先です。
クオリティを高めるためには、イラストに取り入れる要素に対する認識の精度を高めなければいけません。
人物を描くなら人体の比率、パーツの大きさ、配置。
服を描くなら服の大きさ、ボタンやポケットなどのディテール、しわなどの陰影。
背景に自然――例えば桜を入れるなら、桜の木や花びら、ライティングなど。
こういった要素の1つ1つに対する認識の精度を、まずは高めましょうよ、と。
先ほどさらっと描きましたが、認識の精度は「修正すべきだ」と自覚しないと変わりません。
自覚して、なおかつ実際に修正しないと、技術として定着しません。
描いている途中、人物の体のパーツの大きさや配置が違うなら、そのままにしないで直す。
完成したあとに気づけたなら、完成品を修正するか、次の作品で気をつける。
一度できあがったものを直すのって、きっと面倒だと思います。
完成しているものを直すとなったらなおさら。
だとしても、「ここおかしい」と分かったところで直せなかったら、いつまでも認識と技術の精度は高まりませんし、クオリティも同様です。
何度も描いて、おかしいと気づいたら直して、次に活かして。
それを繰り返していくうちに、速度も自然と高まる。
だから、【まずは精度、そのうち速度】だな、と思った次第です。
だいぶ長くなりましたが、今回はこれにて以上です。
では。