もう月間報告を終えてしまいましたが、6月に描いたイラストの制作過程を振り返ってみたところ、徐々にややこしいやり方になっていっていたな、なんて思いました。
いいな、と思っているイラストレーターさんのメイキング動画を観て、その真似をした結果なんですが、仕上がりが以前より雑になってるんじゃないかと感じました。
7月はオーソドックスな方法で進めていきます。
さておき、6月と7月をまたいだ1週間に公開したイラストの数は……
1枚です。
6月中に完成なるか、と考えていましたが、結局7月に持ち越すことになりました。
では、作品を制作過程順に振り返ります。
構想
以前下記の記事で公開した、『青春とは何色か』をテーマに描いたイラストの、夏空を再利用できないかということが発端です。
初めて描いた入道雲が、どことなくいい感じに仕上がったものの(私見です)、その8割近くが埋もれてしまったので。
……結局新しく描くことになりましたが。
さておき、夏空から色々連想して構想を練ってみました。
というより、こんな感じのものを描きたい、という衝動が前々からあって、それに色々要素を追加したようなものです。
画像を見てわかる通り、お盆の送り火をコンセプトにしました。
構図・下描き
とりあえずメインの要素を配置しました。
夏空の要素である入道雲、肩越しに振り返る女の子、駅、ですね。
ラフ・グレースケール
下描きの時点では真正面になっていた駅舎に角度をつけました。
理由はなんとなくです。直感です。
なんかそうしたほうがいい感じになるんじゃないかと閃いたからです。
結果、パースの練習になりました。
参考画像を見ながら、パース定規を引いて、どうしたらそれっぽく見えるか、駅舎1つでかなり時間を費やしました。
着彩
各要素に簡単に色を乗せてみました。
光が画面右側、向こうから差しているイメージなので、女の子のライティングは背中が明るくなるようにしています。
ただ、グレスケ時点で髪の明暗差を大きくしてしまったように思いました。
光の効果はあとで追加するので、グレスケ時点で激しい明暗差はいらなかったんじゃないかな、と。
色々描き込み
完成一歩手前です。
メインの要素ができあがったあと、サブの要素を追加していきました。
夕暮れ時の光をイメージして、女の子の背中側、光が当たっている部分には赤系の色を、陰になっている前側には青系の色を重ねました。
背景もまた、夕暮れ時ということで赤系と青系のグラデーションです。
それに合わせて、雲の影ができている部分に赤系の色を重ねて雰囲気をつくりました。
駅舎は完全に逆光状態となるため、全体的に青系の色を乗せて暗くしました。
それから女の子の左手に、牛をかたどったナスの飾り(?)を。
メインの要素だけでは時期がお盆だと分かりにくいからです。
画面の右端にあるので、そこまで強い主張にはなりませんが、それだけでもイラストの説明要素になりえるんじゃないかな、と。
また、黄色いほわほわした球は、いわゆる霊魂的なものです。
現世に帰省したご先祖さまたちが、駅から戻っていく、みたいな。
なので、駅舎はイラストのこちら側とあちら側を隔てる境界の意味を成しています。
それから、入道雲にもちょっとした意味を持たせています。
舞台において、上手(かみて)と下手(しもて)という概念があります。
観客から見て右側が上手、左側が下手ですね。
物事の流れは右から左に向かう、という法則によるものらしいです。
下記のページを参考にしました。
イラストのイメージとしても、女の子が左(下手)に向かうように配置しています。
黄色い球も駅舎の出入り口に向かって、右から左に行くようにしました。
……でも完成後に見返したとき、例えるならイラストを見ている人の背後から流れてくるような形になってしまっていることに気づきました。
駅舎に入った黄色い球は、入道雲に沿って真上に昇っていっています。
そう、お察しの通り入道雲は、駅(境界)をまたいだ霊魂の未来を閉ざしている壁の意味合いを持っています。
完成
一つ前となにが違うんだ、と言われそうですが、構想の中の一つ、描き足りない要素を加えました。
はい、女の子の体の端が透けている、というものですね。
私自身、一つ前の状態で「よし、完成!」と意気込んでいましたが、体を透けさせていないことに気づいて修正しました。
また、構想のときからこのイラストを小説の表紙っぽく仕上げたいと思っていたので、それっぽくしてみました。
これで本当の意味での完成となります。
このイラストを完成させたあとに思った反省点は、いったん以前通りの描き方に戻そう、ということです。
冒頭にも書きましたが、6月中は徐々にちょっと変わった描き方に移り変わっていきました。
特に人物イラストなんですが、下描きを描いて、グレースケールで陰影をつけて、下描きとグレスケを統合して、着彩して統合して……という感じですね。
どんな描き方をしても間違いではないんですが、従来の下描き、ラフ、清書という段階を踏んだ方が、もう少しよさげな仕上がりになったんじゃないかな、と。
どのみち慣れないやり方で進めたことで、仕上げ手前になって色々修正する必要があることに気づき、割と時間を食いましたし。
結局経験とか慣れの問題だとは思いますが、自分の納得のいく仕上がりにできるやり方で描いていこうかな、と。
さて、1週間の振り返りが終わったところで次の課題です。
月初なのでアイコンキャラのイラストを描きたいのですが、6月の後半にキャラデザを描いてしまったので今回は描きません。
代わりに、自作小説【青春回帰の幻想戦記】の表紙を完成させます。
小説自体も推敲やルビ振りといった編集が終わり、出版に向けての最終段階に入っているので。
記念すべき1巻、1冊目ということで、これまで以上に気合入れて描きます。