ホムンクルスは脱フラスコの夢を見るか

脱ニートを目指す絵描きな引きこもりが、主に週間・月間・年間ごとに振り返りを残すブログ。

#35 小説の表紙イラスト【イラスト週間報告(7/5~7/11)】

 梅雨に入ったものの、ホムンクルスもとい引きこもりニートにはあまりたいした影響は出ていません。
 毎度のことですが、日々ただひたすら描く、書く、かく……の繰り返しです。

 

 作品を増やして、ポートフォリオの充実を図って、自分のコンテンツを生み出すために日々精進あるのみ、ですね。

 

 さて、7月2週目の成果を報告します。
 完成・公開した枚数は……

 

 1枚。

 

 それがこちら。

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 はい、私の自作小説【青春回帰の幻想戦記】の表紙です。

 

 これの完成には、2週間ちょっとかかってしまいました。

 

 というのも、途中でキャンバスサイズがあまりに小さいことに気づいて描き直したからです。
 それも、描き始めてから1週間経った、割と進んだあとのことでした。

 

 いつも綴っている制作過程や所感ですが、描き直す前のものについては省きます。
 ツイッターのツイートで完成までの歩み的な感じでスレッドを作っていたので、それを載せておきます。興味があればどうぞ。

 

 

 それでは、いつもの制作過程や所感を。

 

 構想

 

 構想については、【青春回帰の幻想戦記】の表紙を描きます、程度にとどめておきます。
 もったいぶっているようで気持ち悪いかもしれませんが、本編にまつわる要素をぶち込んで、もう表紙の時点でネタバレしているようなものになっています。
 それぞれがどういった要素なのか気になればぜひ、一読していただければ、と思います。

 

kakuyomu.jp

 

 構図

 

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 主人公と敵キャラ、あとタイトルをこんな感じで組み込もう、くらいで配置しました。
 エフェクトやサブタイトル、著者名などは完成間近でどうしようか考えました。
 そういった要素を構図の時点で考えてもよさそうなんですけどね。
 とりあえずメインの要素をどう置くかくらいしか考えていませんでした。

 

 色々試行錯誤

 

 制作過程の記録のために書き出しをしていた画像なんですが、下描きとかラフとかっていう段階がよく分からない状態になっていました。
 記録を残す意識がまるでなかったんだな、と今は思います。

 

 とりあえず残っているものを使って振り返ります。

 

 まずは主人公から。

 

 グレースケール+簡単な着彩

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 グレースケールを塗って、その上に色を乗せただけの段階です。
 1枚目を描き終えてから、顔の形や腕の長さが気になって、2枚目の時点で修正しています。
 あと、髪もまとまりのある形に直しました。

 

 グラデーションマップ追加

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 グラデーションマップを入れてみました。

 

 グラデーションマップってなんぞや、って話ですが、クリップスタジオペイントというペイントソフトに入っているツールのことです。

 

www.clipstudio.net

 

 すみません、ちょっと余談入ります。

 

 実は6月の終わりごろ……というより、以前記事で描いたお盆のイラストと、この表紙イラストを描き始める時点からクリップスタジオペイントを使い始めました。

 

yonaga-n.hateblo.jp

 

 それまでなに使っていたのか、というと、メディバンペイントです。

 

medibangpaint.com

 

メディバンはメディバンで使いやすさがありましたが、ブラシの豊富さ、グラデーションマップ、3Dモデルなど、クリスタは便利要素がさまざま揃っています。

 

 1ヶ月の無料期間があって、給付金も入ってきたことからとりあえず体験版を導入しました。
 そのうち、メディバンとクリスタの比較や給付金関連の話でも書こうかと思います。

 

 話を戻してグラデーションマップですね。

 

 下地の色の明度に合わせて、乗せる色を指定していく、といったものです。
 主にグレースケールを下地にして使われているようです。

 

 で、例えば明度の値60の位置に赤を指定して、明度50の位置に青を指定した場合、明度60から50の値にかけて赤から青のグラデーションがかかる、といったものです。

 

 どんな感じになるかというと、こんな感じ。

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 学ランの部分に暗めのグレーを置いて青系の色を指定して、肌や、後々明るい色を乗せたい部分には赤系の色を指定しました。

 

 もう、学ランがグラデーションマップで完結しているように見えなくもないですね。

 

 あとはグラデーションマップレイヤーの上に、乗算やオーバーレイのレイヤーを置いて色を重ねていきます。

 

 グラデーションマップ追加前と後では、服のしわの影が協調されたり、そこそこ色鮮やかに見えるようになったんじゃないかな、と。

 

 完成

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 細かい部分を描き足したり、修正したりして完成です。

 

 見返すたびに……というか、描いている最中も思っていることですが、もう少し服のしわの表現をなんとかうまくできたらな……と。
 見るからにビギナー感満点です。

 

 とはいえ、そこでいつまでも足踏みして完成が遠のいても仕方ないので、今後の課題として残します。
 近い未来の私が、もっとうまく描けるようになっていると信じて。

 

 次に敵キャラです。

 

 ラフ・グレースケール

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 1枚目が最初に描いたグレースケールで、2枚目がそのあとですね。

 

 2枚目のほうが、陰影がやたら薄くなっているように見えると思います。
 実際、グレーの明度の幅は10にも満たないですから。

 

 なんでこうしたのかというと、色を乗せたときの変わりようが不思議だったからです。

 

 グレースケールの上にこんな感じの色を乗せようとしてました。

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 そしてこのベース色のレイヤーをオーバーレイにすると……

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 はい、こんな感じでグレースケールよりも強めに陰影が浮かぶんです。
 じゃあこれで描き進めるのかというとそうではなく、ここでまたグラデーションマップが入ります。

 

 ちなみにまたも余談ですが。
 今回の制作過程の進行手順ですが、ここまで書いたような、主人公→敵キャラの順ではありませんでした。

 

 主人公下描き、グレースケール、ベース色
 ↓
 敵キャラ下描き、グレースケール、ベース色、グラデーションマップ、
 ↓
 主人公グラデーションマップ、着彩、描き込み、仕上げ
 ↓
 敵キャラ描き込み、仕上げ

 

 こんな手順で進めていました。
 なので実際は、グラデーションマップを使ったのは敵キャラが先です。

 

 グラデーションマップ追加、線画

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 先ほどに比べると、かなり赤みが増しました。
 ……至極色(極めて黒に近い赤紫色)っていう設定なのにね。

 

 なんというか、赤みがあるほうが悪魔って感じがするじゃないですか。
 それに、主人公と強い因縁がある敵キャラってだいたい赤って相場が……
 まあ、私見です。

 

 完成

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 とはいえ、やはり赤みが強いです。
 なので乗算レイヤーを使って多少暗めにしました。
 それでも単色的な感じがあったので、明るい部分にオーバーレイで赤や紫を重ねて色味を増やしました。

 

 ただし、上半身だけ。
 構図の時点からそうですが、使いたい範囲はほぼ上半身に限られていたので、必要な部分だけを描き込んでそれ以外は省きました。

 

 全部手を加えたいのは山々ですが、今回の目的はキャラクターデザインではなかったので省略です。

 

 エフェクト・背景

 

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 これは単にタイトルを抜いた状態です。

 

 主人公と敵キャラを配置して、それぞれの特徴を醸す要素をエフェクトとして描き加えました。

 

 割れたガラスめいた背景ですが、これは崩壊する青春をイメージしたものです。
 青春というと私の場合、桜色のイメージです。
 まあ、春から高校生活が始まるよ、的な意味で。

 

 それに、物語本編の始まりが卯月で桜の時期、というのもあったりします。

 

 構図的な話になりますが、少なからず日の丸構図を意識しています。
 パッと見たときに中央部分を見てもらえるよう、周囲をガラス片で囲っています。
 向こう側から来た悪魔に青春がぶち壊される、みたいな意味合いも込めて。

 

 とはいえ、タイトルを入れたら主人公しか見えなくなるわけですが。

 

 以上で自作小説の制作過程は終わりです。

 

 まだまだ直せる、というか、技術を向上させてもっとうまく表現できる要素が盛り沢山ですね。
 人間含め、動物の体のパーツをより魅力的に描けるようになりたいですし、そもそもキャラ自体もっといい感じに描きたいと思っています。
 今、いいな、と思っているイラストレーターさん並みになりたいです。
 そのためには日々試行錯誤しながら描き続けるしかありません。

 

 ちなみに、以前にもこんな感じで表紙に挑戦していました。

 

yonaga-n.hateblo.jp

 

 5月の中ごろから取り組み始めて終わりごろに完成させたようです。

 

 そこからほぼ1ヶ月、ですね。

 

 5月に描いた表紙はこんな感じです。

 

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 このころはまだまだ技術も知識も不足していた感がありますね。
 エフェクトや背景など、メディバンゆえにブラシ素材があまりなかった、というのもありますが、見栄えするような仕上がりにはなっていないかな、と。

 

 今回描き上げたものと比べると……まあ、迫力は増しましたね。
 それ以外に関しては……今の私ではまだなにかと言える段階ではないです。

 

 客観視ができないわけではないですが、本当の意味で第三者から意見をもらったほうが実感があると思います。

 

 では、今回の週間報告はこれにて以上です。